早稲田大学創立125周年記念公開シンポジウム「インターネット検索の未来」へ行ってきました。詳細は
コチラ
主な構成は以下の通り。
基調講演:「ヤフーサーファーによるインターネット検索のノウハウ」
パネルディスカッション:「検索の未来を語る」
基調講演については、自分が先日GOCオープンカンファレンスに参加したこともあり、正直なところ生温い講演でした。学生向け&Yahoo!側の自主規制ということで、あまり突っ込んだ講演はなかったです。
そんな中で知ったことは、「サーチエンジンの5原則」というもの。
・Relevancy(関連性、検索精度)
・Comprehensiveness(網羅性、包括性)
・Freshness(更新性、情報鮮度)
・Presentation(閲覧性、表示訴求)
上記4つから導かれて↓
・Trust(信頼性、信用度)
ウェブ上では「RCFTP」で検索するとよくでてきます。5原則といい始めたのは今回が初めだったんでしょうか。
でも、正直なところサーチエンジンにこの5原則を当てはめることが本当に正しいのか、ということを考えさせられたのも事実です。それは後ほど。
また、Yahoo!Japanの新機能紹介でブログ検索の中にあるツールに注目した。例えば
コチラを見てもらうと、右側に「検索ワードの注目度」というグラフがある。グラフだけなら普通の統計だけで、フーンとなって終わるんだが、このグラフ上でドラッグしたりクリックすると、その時期のブログ記事が検索結果として出てくる。このインタフェースはなかなか良いぞ。
その後、パネルディスカッションに移るのですが、これがなかなか面白かったです。
まず各パネラーの方々の発表それぞれに魅力を感じました。(発表順)
▼八尋俊英さん(経済産業省 商務情報政策局 情報経済企画調査官)
情報大航海時代について。
仏から届いた「
仏政府が「検索エンジン」開発計画、グーグルに対抗」のニュースがリアルタイムだったことも含め、日本として今何を考えているのかを興味深く拝聴しました。是非がんばっていただきたいです。
▼井上俊一さん(ヤフー株式会社 検索事業部 事業部長)
The Web(Public)⇒My Web(Personal)⇒Our Web(Social)
といった流れを提示されていました。
この中で、ブログをさらに拡大したものをSocialと捉えてるとも。
やっぱりYahoo!は大規模ソーシャルコミュニティを作ろうとしてるのかな。
▼国枝 学さん(NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部メディア事業部長)
消費者行動モデルの「AIEAS」⇒「AISCEAS」への移行を前提に、「生活そのものが検索」になってくるとのこと。
Attention (注意)
Interest (興味)
Search (検索)
Comparison (比較)
Examination (検討)
Action (行動・購入)
Share (情報共有)
▼徳末哲一さん(ファストサーチ&トランスファ株式会社 代表取締役社長)
エンタープライズサーチの最先端の話を怒涛のように繰り出される中、一番気になったのはニュース番組との連携。
ドイツCNN(?)との連携で、ニュースの背景の変わり目で動画に自動区切りを行い、音声認識でニュース内容をテキスト化するという内容。どうやらサービスイン間近だそうだ。日本でこれができるようになったすごいことだ。
▼橋本大也さん(データセクション株式会社 代表取締役)
一番インパクトのあるプレゼンをしたのが橋本さんだと思います。
情報考学 Passion For The Futureの記事は時折意外性のあるエントリーだったりして、橋本さんの分野の広さが伺えますよね。
内容としては
データセクションと
テレビブログの紹介から始まりました。
その後に、面白い例を(おそらく)小説から引用し、サーチエンジンを「みんなが使うと、よりみんなが便利になる」とした上で、インタフェースとコミュニケーションの時代(アルゴリズム×インタフェース×コミュニケーション)であるとまとめられました。
上記の面白い例については、早稲田の方でインターネット配信するとか言っていましたのでそちらを参照ください。
今回のパネルディスカッションで、検索アルゴリズムが注目を浴びるべきではなく、検索そのものの意義が問われるべきなのかなと感じました。
また、Yahoo!で標榜しているサーチエンジン5原則も、矛盾の中でどう答えを見つけ出すんだろう思うわけです。だって、フィルタ機能をいれなければPもTもダメになりますが、フィルタすることでCは落ちる。
人は検索に何を求めるのか。そういう意味ではgooのようなアプローチはわかりやすいな、とも思うし、Yahoo!もこれからソーシャルだというのも頷けちゃうわけです。